弁護士の役割

弁護士の仕事

弁護士の仕事には、大きく分けて、民事事件の対応と刑事事件の対応があります。

民事事件の対応では、個人や企業から法律相談を受けて、事件の解決のための依頼を受けることによって、様々な事件と関わっていくこととなります。
弁護士が扱う民事事件は、交通事故、離婚、相続、債務整理、企業法務など、多岐に渡ります。
そして、依頼者から事件の依頼を受けた後、基本的には、裁判外での適正な解決(示談)を目指して活動していくことになります。
なぜなら、裁判外で事件を解決する方が、裁判を申し立てた場合よりも早く解決できることが多く、早期に適正な内容で解決することが、依頼者にとって利益になるからです。
弁護士業務は他の法律を扱う職業に比べて活動できる範囲が広いため、現在ではインターネットの分野を始め、様々な分野に業務領域を広げており、社会の変化に合わせて対応していく職業であるといえるでしょう。

刑事事件の対応では、起訴前の被疑者を弁護する「被疑者弁護」と、起訴後の被告人を弁護する「被告人弁護」を行います。
被疑者弁護では、捜査機関から不当な取調べが行われないように活動することや、被害者と示談をするなどをして不起訴を獲得できるように活動します。
他方、被告人弁護では、裁判所に対する保釈請求や、起訴された事件について、無罪又は刑の軽減、執行猶予の獲得を目指して活動します。

民事事件と刑事事件の業務割合について言えば、法律事務所によって様々ではありますが、一般的には、民事事件を中心としつつ、一定程度の刑事事件も扱うという法律事務所が大半といえるでしょう。

弁護士の仕事の特徴として、裁判官の仕事との違いを言うと、弁護士は、自ら、弁護士の職務上の権限を用いた証拠収集や、現地に赴いて証拠収集活動を行っていきます。
これに対して、裁判官は、申し立てられた事件について、基本的には、当事者が提出した証拠を基にして、当事者が主張している事実が認められるかなどを判断します。
どのような証拠があれば依頼者にとって適正な内容で解決できるか、その証拠はどのようにして取得できるかを考え、証拠収集活動を行っていくことは、裁判官の仕事にはない、弁護士の仕事の楽しさ、やりがいと言えるでしょう。

検察官の仕事との違いを言うと、検察官が取り扱う事件の多くは、警察官が逮捕し、送致してきた事件について、起訴・不起訴の処分を決め、起訴処分をすると判断した事件については、一方当事者として裁判を追行していくことです。
弁護士の場合、先ほどご説明したとおり、業務の中心は民事事件の対応で、一定程度の刑事事件も扱います。
民事事件の多種多様な案件に関わることができること、刑事事件では被疑者弁護から被告人弁護まで事件の最初から最後まで関わることができることは、検察官の仕事とは異なる、弁護士の仕事の楽しさ、やりがいと言えるでしょう。

さらに、弁護士は、裁判官、検察官のような公務員ではないため、自ら選んだ地域で業務を行うことができます。
自分が働きたい地域で働くことができるというのは、自分のプライベートな時間を充実させつつ、業務に邁進する推進力になるでしょう。

最後に、弁護士の仕事のやりがいについて言えば、まず、事件が解決した際に、依頼者から直接感謝されることが、何よりも業務へのモチベーションにつながります。
また、依頼者が抱えていた法律問題を解決できたということを実感できることが、業務を行っていくうえでの自信にもつながってきます。
さらに、弁護士の業務は多岐に渡るため、各分野の勉強も当然必要にはなってきますが、どの分野もやりがいがあり、日々新鮮な気持ちで業務に取り組むことができます。